金属加工依頼の基礎知識【加工の依頼に必要な情報】

2024.08.6

金属加工の依頼に必要な情報

金属加工のお見積もり・依頼には図面などの形状を確認できるデータに加え、材質・数量・希望納期の情報が必要です。どれも見積金額に大きく関わる要素であるため、お見積り・加工依頼の際には必ず確認が必要な情報です。

図面などの形状を確認できるデータ

お見積もりには製作する製品・部品の形状と大きさが確認できるデータが必要です。加工会社の持つ設備で加工が可能な形状・サイズであるかをこの情報を元に判断します。これには3D-CADデータが最も適しています。2D-CADデータも加工会社にとって形状の確認がしやすいデータですが、2Dであることから、解釈違いが発生する危険性も少なからずあります。それを防ぐために工数が増加し、3D-CADデータから確認するよりも少し時間がかかります。これらのデータがない場合には、PDF図面やイラストを元に確認します。

材質

金属加工では特に、加工する材質によって加工条件が大きく変わります。同じ形状でも材料費と加工費が大きく変動する場合があるため、お見積もりには材質の情報が必要です。例えば比較的加工しやすく安価なアルミニウム合金と難削材で高価なチタン合金では、同じ形状・サイズでも何倍も費用が異なります。材質が決まっていない場合は要件を基に打ち合わせで決めていくか、候補の素材をいくつか挙げて見積り・検討することもできます。

数量

数量によって1個あたりの見積もり金額は変動します。そのため数量の指定も必要です。数量が多いほど、1個あたりの費用は低くなります。これは加工するために製作するプログラムや加工機械のセッティングなどの数量に関係なく発生する加工費が按分されるためです。

納期

急ぎで必要な製品・部品には特に指定が必要な要素です。同じ形状でも、短納期にするほど費用は高くなる傾向にあります。また、工場の状況によって同じ条件でも加工可否が変わることがあるため、数日で必要な部品については予め納期の指定が必要になります。急がない加工依頼は長納期での調整することで、余計なコストアップを防ぐことができます。

金属加工の依頼の前に押さえておきたいポイント

材質の特徴

金属材質にはアルミニウム合金やステンレス鋼、銅、チタン合金などの多くの材質があります。さらにその中にも、例えばアルミニウム合金であれば番手ごとに特徴を持った材質があります。金属加工ではこれらの材質の特徴を把握し、適切な材質を選択することで、最小限のコストで要件に適した製品を製作することができます。

加工方法の特徴

金属加工とは金属材質の加工全般を指し、実際に加工する方法は多岐に渡ります。材質や形状、数・納期、製作の目的によって最適な加工方法は変わります。金属加工の種類と特徴を理解することで、条件にあった金属加工を選ぶことができるようになります。金属加工方法には主に切削加工・板金加工・3Dプリンター出力・鋳造があります。

参考：「機械部品製作の加工方法選定のポイント」

金属加工会社の特徴

当社METAL SPEEDを含め、金属の加工会社は数多くあります。加工会社ごとに得意な加工内容や、取り扱う加工も異なります。事業内容や加工事例の確認、試験的な発注により、それぞれの特徴を把握することで必要な時に必要な製品・部品を調達できるようになります。

参考：「METAL SPEEDが提供できる価値」

金属加工の見積もり回答期間を短くする方法

3D-CADデータでの見積もり依頼

見積依頼には、CADデータ・PDF図面・イラストなど形状が分かるデータを使います。その中でも3D-CADデータからの見積もり依頼は、依頼する側の図面の作成・修正の手間を削減するだけでなく、加工会社にとっても迅速に対応することができるなどの大きなメリットがあります。

3D-CADデータで見積もり依頼をする主なメリット

見積り回答時間の短縮

複雑な形状になるほど、図面から立体形状を正しく理解するために相応の時間がかかります。図面に記載されていない情報があれば、確認して情報が揃うまで正確な見積りを出すことができません。3D-CADデータがあれば形状を正しく理解するための情報が揃っているため、その分見積回答までの時間を短縮できます。

図面作成の手間を削減

加工会社に製作の依頼をするための図面には、寸法や公差の設定を入力します。この工程は特に設計変更が起こりうる試作や小ロット製作では、設計者の大きな負担になります。3D-CADデータから見積・製作を行うことで、この手間を省くことができます。

概算見積からの相談が可能

3D-CADデータからの見積は、詳細な公差数値を決める前に、現在の形状でどれくらいのコストになるかを概算見積として算出できます。そこから予算に合わせて相談・打ち合わせによる調整をすることができます。切削加工の見積依頼は、特に取り決めがなければ寸法公差JISB0405中級を前提に回答します。精度が必要な加工は別途ご相談ください。