SUS316とSUS316Lの違い
オーステナイト系ステンレスに分類されるSUS316には、名前の後ろに「L」がついたSUS316Lという種類があります。これが付くことによって性質に違いができます。この記事ではSUS316とSUS316Lの違いについて解説します。
金属加工のワンポイント講座
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各ステンレス材料の中でも代表的な鋼種であるSUS303とSUS304。オーステナイト系ステンレスに分類され、ニッケルを含んでいます。どちらも入手しやすいステンレス鋼で、特にSUS304は全ステンレス材の中でも扱いが多く、入手性が高く安価です。この記事では両者の違いを解説します。
化学成分 | 炭素(C) | ケイ素(Si) | マンガン(Mn) | リン(P) | 硫黄(S) | ニッケル(Ni) | クロム(Cr) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
SUS303 | 0.15以下 | 1.00以下 | 2.00以下 | 0.20以下 | 0.15以下 | 8.0~10.0以下 | 17.0~19.0 |
SUS304 | 0.08以下 | 1.00以下 | 2.00以下 | 0.045以下 | 0.030以下 | 8.0~10.50 | 18.0~20.0 |
大きな違いとしてはSUS303のほうがSUS304に比べてP(リン)とS(硫黄)を多く含んでいる点が挙げられます。また、耐力や引っ張り強さ、伸びなどの機械的性質についてはSUS303とSUS304では、ほとんど違いはありません。
SUS303とSUS304は外観にはほぼ違いがないため、目視で見分けるのは困難です。
SUS303とSUS304ともに磁性はなく、磁石で判別することはできません。また、ともに加工により加工硬化を起こした部分は構造の変化により磁性を持つことがあります。
SUS304は固く粘り気があるため、切削性は良くはありません。SUS303はリンと硫黄を含有しているため、粘り気が少なく切削性に優れています。
SUS303はリンと硫黄を多く含有しているため、溶接性は良いとは言えません。溶接加工が必要な場合はSUS304の方が向いています。
ステンレスは耐食性に優れた金属です。その中でもSUS304は耐食性に優れ、水に触れるような用途など、錆や腐食が生じる環境での材質選定の際にはSUS303よりも適しています。
SUS304は金属同士が摩擦を起こした際などに表面が密着し、焼き付きを起こしてしまうことがあります。一方SUS303は焼き付きを起こしにくいため、金属同士が摩擦しあう環境では、SUS303のほうが向いています。
先述したようにリンと硫黄を含有したSUS303は粘り気が少なく、SUS304粘り気があります。旋盤などで両者を加工すると、粘り気の少ないSUS303は、粉状で切粉が発生しますが、SUS304は一本の帯のような形状で切粉が発生しやすいという違いがあります。
Point
SUS303とSUS304は機械的性質などの面で似た性質を持っていますが、使用用途や加工方法によっては得意不得意が分かれます。切削加工はSUS303が、溶接加工はSUS304が優れています。
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