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炭素鋼とステンレス鋼の違い

炭素鋼とステンレス鋼は共に鋼材であり、金属加工において中心となる材質です。これらの鋼材は、鉄に0.02%~2.14%の炭素を加えた合金鋼です。鉄を加工しやすく、使いやすくするために人工的に改良しています。鋼材は大きく炭素鋼と合金鋼の2種類に分類されます。炭素鋼は鉄に炭素・ケイ素・マンガン・リン・硫黄を加えた合金です。合金鋼はそれらに加えて金属元素を一定以上含む合金です。炭素鋼よりも添加する金属の種類が多いため高価ではありますが、その分強度や耐食性、強度に優れており、炭素鋼が使えない場面で用いられます。ステンレス鋼は合金鋼の一種で、炭素鋼よりも耐食性に優れています。

炭素鋼の特徴

炭素鋼加工品
炭素鋼加工品
炭素鋼加工品

炭素鋼は鉄をベースにした合金で、鋼鉄とも呼ばれます。鉄は炭素量が多くなると硬くなり変形に強くなります。その一方で脆くなり、強い衝撃で砕けやすくなります。鋼鉄は炭素量を調整し、硬さと強さを両立した材料です。SS材やS-C材、SPC材、SK材が主な種類です。安価で強度に優れていますが、酸化しやすく錆による腐食が発生しやすい特徴があります。

参考:「炭素鋼とは?炭素鋼の種類と特徴を紹介

ステンレス鋼の特徴

金属加工SUS304
ステンレス加工
ステンレス加工

ステンレス鋼は鉄にクロムを加えた合金です。クロムが酸素と反応して表面に酸化皮膜を形成します。この皮膜により空気中の酸素や湿気から内部を保護し、反応による劣化を防ぎます。添加元素はクロムとニッケルの割合が大きく、炭素の割合は炭素鋼よりも小さくなっています。炭素量が少ないのは、クロムと炭素が反応して炭化物となり、耐食性を高めるクロムが減少することを防ぐためです。

参考:「ステンレス加工の基礎【ステンレス切削加工】

炭素鋼とステンレス鋼の違い

炭素鋼とステンレス鋼の大きな違いは耐食性です。炭素鋼は錆びやすく、腐食しやすい金属です。ステンレス鋼は耐食性が高く、極めて錆が発生しにくい特徴を持ちます。また、炭素鋼は磁性を持ち、磁石に付きますが、ステンレス鋼は組織構造により磁性を持たないオーステナイト系ステンレス鋼が存在します。ただし、このステンレス鋼も加工により組織構造が変化して磁性を持つことがあります。炭素鋼は汎用的な用途で使用できる一方で、特別な耐食性や強度が必要な場面では適さないことが多いです。そのような時にステンレス鋼のような合金鋼が使用されます。また、ステンレス鋼は熱伝導性が低いことに加えて、加工硬化性が高く、切削加工時に工具への負担が大きくなるため難削材に分類されます。

Point

炭素鋼は硬度と靭性のバランスに優れた汎用的な金属素材です。ステンレス鋼は強度と耐食性を高めた合金鋼で、炭素鋼よりも高額ですが、より多くの場面で使用することができます。ステンレス鋼は難削材なので加工にかかる費用は炭素鋼よりも高くなります。

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