アルミ加工の基礎知識【アルミ切削加工メーカー】
アルミニウム合金は比強度に優れた金属です。番手ごとに多様な特徴があり、ジュラルミンと呼ばれる強度を高めた種類もあります。それぞれの番手の特徴をおさえることが最適な材料選択に繋がります。この記事ではアルミニウム合金の特徴と種類を解説します。
金属加工のワンポイント講座
onepoint
金属や樹脂の切削加工には、加工形状や材料の性質によって切削工具を使い分けます。例えばマシニングセンタでは、基本的にブロック形状の材料から切削するので、工具はできるだけ短く太い工具で削り、少しずつ削ることで寸法が安定した加工ができます。
逆に長すぎ・細すぎると寸法は安定しにくく、工具が破損しやすくなります。破損を回避するために、加工速度を遅くしすぎると、その分加工費が高くなります。
切削加工には加工条件があり、工具を取り付けた主軸の回転数と送り速度を対象物に合わせて設定します。これらが速すぎることで刃物や加工物に欠けが生じたり、工具の摩耗を早めることになります。
NCプログラム(機械加工プログラム)ではS機能、F機能があり、Sは主軸の回転数、Fは送り速度を意味します。例えばSの後の数字が1000であれば主軸の回転数は1分間に1000回転です。回転数は切削する材料や切削工具の直径、突き出す長さにより変わります。
同じようにFの後に100とあれば送り速度は1分間に100mmの速度で移動するプログラムになります。例えば一度に切削する量が多い場合には送り速度を遅くする必要があります。送りスピードがそのまま加工時間を左右します。
この送り速度は、主軸の回転数は密接に関係しています。一般的には送り速度で調整します。切削刃物メーカーの推奨条件を参考にしながら、実際の切削加工時の音や切り粉の状態、切削後の刃物や面の状態で判断することで、より正確な加工をすることができます。
ドリルは切削加工での使用頻度が高い工具です。ボール盤、旋盤、フライス盤での穴あけに使用します。加工する材質によってハイスドリルや超硬合金ドリルを使い分けます。超硬ドリルは硬い難削材の加工に使用できます。また、先端のブレが少なく、高精度の加工にも適しています。刃が欠けやすいため、ボール盤での加工にはハイスドリルが適しています。
強ねじれ刃ドリル | ドリルの標準的なねじれ角の20~30度よりも大きいドリルです。刃が鋭利であるため切削抵抗が小さい反面、刃の強度が低く破損しやすい特徴があります。 |
弱ねじれ刃ドリル | ねじれ角が20°より小さいドリルです。刃が鈍いため切削抵抗が大きくなる反面、刃の強度は高く破損しにくいドリルです。 |
ストレートドリル | シャンクと刃の直径が同じ形状をしており、簡単な穴あけ加工に使用されるドリルです。 |
ルーマ型ドリル | シャンクの直径が刃の直径よりも大きい形状のドリルです。高精度加工、小径加工に使用します。 |
段付きドリル | 2つの異なる直径の刃があり、段になっているドリルです。段付きの穴あけ加工と同時に面取り加工もできます。 |
スターティングドリル | リーディングドリルとも呼ばれます。ねじれ部分が短く先端角度が90度で、センターポンチを打つ際に使用します。 |
薄板用ドリル | 先端がローソクの様な形状をしているため、ローソク形ドリルとも呼ばれます。薄板の加工に使用するドリルです。 |
センタ穴ドリル | センタードリルとも呼ばれます。シャンクの直径が大きく短い形状をしており、円筒形状物のセンタ穴加工や位置決め、もみつけに使用します。 |
油穴付きドリル | 刃の先端から切削油を出すためのドリルです。切り屑が詰まることなく、加工部の発熱も抑えながら加工できます。 |
ネジ穴の加工に使う切削工具です。JISにはあらゆる規格のネジがあります。一般的なMネジのメートルネジやインチネジ、管用ネジ、台形ネジと多種多様です。通常これらに合わせた刃物がありますが、規格外の場合は別途工具を製作して切削する場合があります。ネジ部の先端に「食いつき部」があり、切粉が通る「溝部」、ネジ山を作る「ネジ部」、柄の部分である「シャンク部」の4つで構成されます。
バンドタップ | 手動でネジ穴を加工する際に使う工具です。バンドタップには「先・中・上(1番・2番・3番)」と3種類あります。これらは食いつき部の山の数が異なり、通常は先タップが9山、中タップが5山、上タップが1.5山となります。この3種類は山数が多い方から順に使用していきます。 |
スパイラルタップ | 溝部が螺旋状になっており、切粉がタップの進行方向とは逆方向に排出されます。そのため、止まり穴のネジ加工に適しています。主に機械加工で使われます。 |
ポイントタップ | 食いつき部が斜めになっており、タップの進行方向と同じ方向に切粉を排出するタップです。そのため、通り穴のネジ加工に適しています。 |
ロールタップ | ロールタップはネジ部分に圧力をかけて、ネジ山を盛り上げてネジを作ります。切粉が出ません。めねじの強度は他の加工に比べて強固です。加工には大きな切削トルクが必要なため、主に機械加工で使用します。 |
バイトとは旋盤で使う工具のことを指します。構造としては工具の持ち手となる柄の部分の「シャンク」、刃の部分である「チップ」からなります。バイトの種類は用途や構造によって分けられますが、現在最も使われているのは「スローアウェイバイト」というチップをボディにつけるだけで使用できるバイトです。
スローアウェイバイト | 刃先のチップとシャンクが別のパーツとなったバイトです。メンテナンスにはチップを交換する良い点が効率的です。 |
むくバイト | チップとシャンクが同じ素材で一体で作られたバイトです。刃先が未完成の状態であるため、刃先を自由に形成できます。特殊な形状の切削加工に適した工具です。 |
ろう付けバイト | チップとシャンクが別パーツからなるバイトです。チップとシャンクをろう付けして使用します。刃先を自由に形成して使用することができます。 |
片刃バイト | 旋盤加工での使用頻度が高い切削工具です。加工物の外面や端面を加工する際に使われます。外面を加工する際はバイトを横方向へ送るのに対して、端面を加工する際はバイトを縦方向に送ります。 |
突っ切りバイト | 素材を切り落とすために使うバイトです。バイトを垂直に当て、縦方向へと送って切り落とします。先端部分が細く弱いため、横方向への送りは原則としてしません。Oリング溝を削ることもできます。 |
センタードリル | 旋盤加工で端面の中心に穴を開けるために使う切削工具です。通常のドリルよりも短く太いため、加工時のブレを軽減できます。 |
中ぐりバイト | ドリルなどで空けられた穴を更に広げて、寸法の精度を高めるために使用するバイトです。 |
ダイスハンドルを用いてダイスを回転させることで丸棒の外径を切削し、雄ネジに加工する刃物です。タップ加工よりも難易度が高いので、通常旋盤加工にて仕上げる場合が多いです。
シャンクと呼ばれる機械にセットする柄の部分の先に固定して使用する旋盤加工の代表刃物です。材質も加工する対象物によってさまざまで、超硬の合金や工具鋼があります。荒加工用と仕上げ用のチップを分けることで仕上がりを安定させることができます。
このシャンクとチップを合わせたものをバイトと呼び、内外径の加工やネジ切り加工が可能になります。なおチップは複数個単位で販売されていることが多く、一般的な形状は三角形をしています。
側面、底面が刃の刃部とシャンクで構成された切削工具です。穴あけ、溝加工、内外径の仕上げに使用する代表的な切削工具です。刃の数は2枚のものから複数の刃をらせん状に構成したものがあります。刃先がR形状をしたボールエンドミルは、主に曲面を仕上げる際に使用されます。
スクエアエンドミル | 先端が平坦な形状をしている汎用的なエンドミルです。側面の切削加工、溝加工、仕上げ加工、正面フライスに使用できます。 |
ボールエンドミル | 先端が球状になっているエンドミルです。曲面の切削加工、仕上げ加工に使用します。 |
ラフィングエンドミル | 刃が波状で切削抵抗が小さく、荒削りに使用します。 |
ラジアスエンドミル | 底刃にRが付いた形状をしているエンドミルです。平面や曲面の切削に使用します。ボールエンドミルと比べて刃の径が大きいため、安定したならい加工ができます。 |
フライス盤やマシニングセンタで使用される切削工具です。汎用的な正面フライスの他にも、様々な種類があり、用途に応じて使い分けることができます。
正面フライス | フェイスミルとも呼ばれます。外周に複数の刃が取り付けられた形状をしており、外径が大きいため、平行移動による広い平面削りや段削りに使用されます。 |
アリ溝カッター | 刃部が台形のような形状をしており、Oリング溝の加工に使用されます。 |
Tスロットカッター | 外周と側面に刃を持った形状をしており、T溝加工やスロット加工に使用されます。 |
面取りカッター | 面取り加工に使用します。また、ネジ穴のバリ取りや皿もみ加工にも使用できます。 |
精度が必要な穴あけ加工に使用する切削工具です。リーマ加工をした内面はドリルの仕上げより綺麗にすることが可能です。
バンドリーマ | 手加工用のリーマです。シャンクがストレート、先端は四角形の形状をしています。リーマ回し用のタップハンドル使って加工します。 |
チャッキングリーマ | 他のリーマと比べると刃長が短く、食いつき部に約45度の角度があります。柄の部分の形状はストレートとテーパの2種類あります。 |
マシンリーマ | 機械用のリーマです。チャッキングリーマよりも刃長が長く、シャンク部はテーパ形状をしています。食いつき部の角度はチャッキングリーマと同じく約45度です。 |
テーパリーマ | テーパ穴を仕上げるためのリーマです。手加工用のものと、機械加工用のものがあります。 |
先端が傘の形状をしている刃物で丸穴を加工した後のバリ取りに使用されます。また、そのまま角度を利用して皿穴ザグリの加工にも用いられます。
Point
切削工具は加工形状や材質によって使い分ける必要があります。最適な切削工具を選択することで、加工品の品質を高め、工具を長持ちさせることができます。
フライス・マシニング加工、旋盤加工など様々な加工に対応しております
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