金属加工のワンポイント講座

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フライス加工と旋盤加工の違い

切削加工には工具を回転させて削る転削加工と、加工物を回転させて削る旋削加工があります。転削の代表がフライス加工で、旋削の代表が旋盤加工です。切削加工で製作する製品は、フライス加工と旋盤加工のどちらか一方または両方の複合加工を経ています。それぞれ得意不得意があり、フライス加工と旋盤加工には主に以下の4つの違いがあります。この記事ではこれらの違いについて解説します。

  • 回転する対象の違い
  • 得意な加工形状の違い
  • 使用する機械、工具の違い
  • 加工サイズの違い

フライス加工と旋盤加工の特徴

フライス加工

フライス加工は、回転する工具でワークを切削する加工方法です。主に平面や曲面の加工に適しています。フライス加工では、回転する工具(フライスカッター)を材料に押し当て、切削加工を行います。フライスカッターは、刃先が複数あり、回転することで材料を削り取ります。フライス加工は、平面や曲面だけでなく、溝や穴などの形状も削り出すことができます。

フライス加工品
フライス(マシニング加工)例
フライス加工品
フライス(マシニング加工)例
フライス加工品
フライス(マシニング加工)例

旋盤加工

旋盤加工は、回転するワークに工具を当てて切削加工方法です。外径が円形状の素材を回転させた状態で、切削工具を当てて削ります。旋盤加工で可能な加工を細分化すると、外径加工、内径加工、穴あけ加工、ネジ切り加工、突っ切り加工に分けられます。これらの加工を組み合わせてできる形状を製作することができます。主に円形状の加工品を製作するために旋盤加工を行います。

c3604(真鍮)加工品
旋盤加工例
普通鋼加工品
旋盤加工例
真鍮加工
旋盤加工例

フライス加工と旋盤加工の違い

回転する対象の違い

フライス加工では工具が回転し、旋盤加工ではワークが回転します。この回転する対象の違いによって、加工できる形状や精度が異なります。

得意な加工形状の違い

フライス加工はワークを固定した加工方法であるため、平面や曲面の加工が得意で、主にブロック形状の加工に用いられます。旋盤加工はワークを回転させることによる円筒形状の加工が得意です。また、加工機械の特性上、旋盤加工は細長い形状の加工が得意です。

使用する工具の違い

フライス加工にはフライスカッターが、旋盤加工にはバイトが使用されます。フライスカッターは、刃先が複数あり、回転することで材料を削り取ります。バイトは、刃先が1つまたは複数あり、材料を削り取ります。フライスカッターとバイトは、形状や材質が異なり、加工する材料や形状に合わせて適切な工具を選択する必要があります。

加工サイズの違い

フライス加工の最大加工サイズは加工機械のX軸Y軸Z軸の移動量によって決まります。この最大サイズは加工機械によって異なりますが、それぞれ500mm以下のサイズであることが多いです。旋盤加工は最大加工径と最大加工長さの2軸によって最大サイズが決まります。当社で使用する旋盤加工機では最大加工径は370mm~450mm、最大加工長さは965mm~1300mmです。

フライス加工よりも適している状況

また、外観はフライス形状(転削加工品)に見えるものでも、旋盤加工を行う場合があります。例えば中央に深い穴が必要な加工品は、長い刃物を回転させて削るのは難しいので、旋盤加工で穴をあけてから外径を仕上げます。

ネジ加工のような穴をあける加工は、ネジ切りバイトと呼ばれる旋盤の刃物での加工が適切です。特に径の大きいサイズのネジの場合は、タップを用いた加工だと加工の抵抗が大きいので旋盤加工が適しています。

旋盤加工機の種類

汎用旋盤とNC旋盤

旋盤機には代表的なものとして、主軸台、心押台、往復台、送り装置、ベッドで構成される基本的な構造の汎用旋盤と、汎用旋盤にNC(数値制御)装置を付けたNC旋盤が挙げられます。

NC旋盤にはタレットと呼ばれる回転装置に加工に必要な工具を取り付けることができます。汎用旋盤では刃物を変えるような加工の際は連続して加工することが困難でも、操作盤のNC制御で刃物の動きや回転数をコントロールすることで別工程もそのまま続けて加工できます。

NC旋盤のメリットはプログラムを作成すれば自動製作のため、多数加工するのに適しており、プログラム制御のため精度も安定させられる点です。逆に言うとプログラムを基に加工をするので、単純加工でも刃物工具の位置や加工品の位置を機械に読み込ませるオフセットという作業や段取りが必要です。そのため軽微な修正や追加は汎用旋盤の方が早くできることもあります。

実際に加工する前にはモニターで刃物の動き等を確認します。材料をセットしていない状態で機械の動きを確認してから加工に移ります。加工内容が単純な場合の多くは、この段取りの方に時間がかかります。

旋盤加工機の基本構成

旋盤加工機は主に以下の部品で構成されています。

主軸台

加工物を回転させる軸、モーター、変速機が備わっている部分で自動送りが可能な装置が組み込まれています。

チャック

加工品を固定する装置で、主軸にセットします。主に爪が3~4つあり、挟み込むことで固定します。爪がそれぞれ独立するタイプもあり、異型の加工品を掴みやすくします。

ベッド

旋盤の本体部分で、主軸台や心押台往復台その他の装置を支えています。ベッド上の振りと呼ばれる距離が旋盤加工品の最大径を決めます。

心押し台

主軸台の対面に設置されていて、ベッドの上を移動させることができます。加工品を固定する為の役割や、刃物を取り付けて穴加工をすることが可能です。心間距離と呼ばれる主軸から心押台の先端の距離が加工できる最大長さになります。

往復台

切削工具をベッド上で水平移動させる部分です。往復台の上に刃物台があります。

送り装置

切削工具を縦横に移動する装置で、往復台よりも小さく可動範囲を0.01mm以下で調整できます。

刃物台

切削工具を取り付ける部分を指します。チップや突っ切り、ネジ切りバイト、中ぐりなどの刃物を用います。

Point

旋盤加工は、加工物を回転させて削る加工方法です。外径が円形状のものは基本的に旋盤で加工することができます。外径加工、内径加工、穴あけ加工、ネジ切り加工、突っ切り加工に分類することができ、これらの組み合わせた加工ができます。

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