アルミ加工の基礎知識【アルミ切削加工メーカー】
アルミニウム合金は比強度に優れた金属です。番手ごとに多様な特徴があり、ジュラルミンと呼ばれる強度を高めた種類もあります。それぞれの番手の特徴をおさえることが最適な材料選択に繋がります。この記事ではアルミニウム合金の特徴と種類を解説します。
金属加工のワンポイント講座
onepoint
金属製品には仕上げに表面処理が施されることがあります。これは素地のままでは錆びやすい鉄の錆止めや、耐久性の向上、見た目の付加価値の向上などを目的としています。この記事では代表的な表面処理を紹介します。
アルミニウム合金への表面処理の代表はアルマイトです。アルマイトとは、表面に陽極酸化皮膜を作る処理のことです。アルミニウム合金の表面に人工的に分厚い酸化アルミニウム皮膜を形成し、アルミニウム合金の耐食性、耐摩耗性の向上を目的として行われます。そのほか、カラーリングなどの装飾や他の機能の付加もできます。
番手1000~7000番台のアルミニウム合金に処理ができます。1000番台→5000番台→6000番台→2000番台→7000番台の順で、1000番台が一番処理しやすく、7000番台が一番処理しにくい傾向があります。
元の材質の表面より内部にもアルマイト皮膜を作るので、再アルマイトする際は肉痩せすることになる点に注意が必要です。
「アルマイト加工処理」が正式名称です。白色に着色する処理ではなく、原色の。膜厚は6~10μ、使用目的は防錆で、寸法精度の要求が高いものに使用しやすい処理です。
着色するアルマイト処理です。黒・青・赤・緑色など様々な着色が可能です。膜厚は15~30μ、使用目的は主に装飾のためのカラーリングです。目に見える箇所に使用される部品や製品での使用が多い処理です。
アルミの素地の表面をブラスト等の前処理で艶消し状態にし、黒アルマイト処理を行うことで、光が反射しにくい表面にすることが可能です。メッキ後に摺動性を向上させたい場合に選定されます。
皮膜の硬さ、耐摩耗性に優れたアルマイト処理です。また、絶縁皮膜であるため絶縁性を付与することができます。膜厚を厚くすることにより、破壊電圧と耐摩耗性が向上します。膜厚は50μm程度が一般的です。光沢が必要となる場合には、バフ研磨を施すことによって光沢を付与することもできます。
色は材質や膜厚によって変化し、例えば、A2017に30μ程のせると、緑色のような色になります。
アロジン処理はアルミニウム防錆処理の1つで、金属の表面に酸化皮膜を形成するアルマイト処理とは違い、表面に直接クロメート皮膜を形成する処理です。アロジン処理の仕上がり色は#1000と#1200の2種類です。#1000は無色で、素材の外観を活かすような塗装の下地に適しています。#1200は有色(黄色)で、耐食性は#1000よりも優れています。処理時間により電気抵抗値を調整することができます。
ユニクロめっきは、もともとはアメリカで開発された亜鉛メッキのクロメート処理の商品名です。日本では、光沢クロメート処理をユニクロめっきと呼ばれています。色は青みがかった銀色で、装飾用として用いられることが多いです。皮膜が片肉約10μmと厚く膜厚の管理が難しいため、高い精度が要求されるような製品には不向きです。
他のクロメート処理と比較すると耐食性は劣りますが、低価格での処理が可能なため、量産品等に適している表面処理です。
めっき液の中に含まれる成分が酸化し、放出された電子によって金属ニッケル皮膜を生成するめっき方法です。通電を必要としないため、樹脂等の絶縁体にも処理することができます。日本では、カニゼンめっき(日本カニゼン株式会社の商品名)と呼ばれることも一般的です。無電解ニッケルめっきは膜厚を均一につけることができるため、高い精度が求められる製品・複雑な形状の製品への処理に用いられています。
黒染め処理は主に鉄系の材質に行う処理です。材料の表面に酸化皮膜を形成します。皮膜が1μ程度と非常に薄いため、寸法精度が必要となる製品に向いています。色は光沢のある黒色です。防錆を主な目的としています。黒染めはアルマイト同様、電解処理による酸化皮膜を作る表面処理です。
ハードクロムめっきや工業用クロムめっきとも呼ばれる場合があります。機械部品に多く使用されている処理方法です。JIS規格では、膜厚2μm以上、硬度HV750以上と定められています。電気めっきの中では、最も硬度が高いめっき処理で、耐摩耗性・耐食性に優れています。
Point
アルマイトはアルミニウム合金の表面に人工的に分厚い酸化アルミニウム皮膜を作り、耐食性、耐摩耗性を向上させる処理です。青や赤などへの色の変更や、艶を消すこともできます。鉄系の材質にはユニクロめっきや無電解ニッケルめっき、黒染めの処理ができ、防錆や装飾性の向上ができます。
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