アルミ加工の基礎知識【アルミ切削加工メーカー】
アルミニウム合金は比強度に優れた金属です。番手ごとに多様な特徴があり、ジュラルミンと呼ばれる強度を高めた種類もあります。それぞれの番手の特徴をおさえることが最適な材料選択に繋がります。この記事ではアルミニウム合金の特徴と種類を解説します。
金属加工のワンポイント講座
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マグネシウム合金は実用金属の中で最も軽量で比強度が最大の合金です。材料のマグネシウムも地球上に豊富に存在し、入手しやすいことから様々な分野で注目を浴びています。軽い金属の代表であるアルミよりも軽い金属です。近年、省力化や軽量化を目的にマグネシウム合金が注目を集めています。しかし、マグネシウム合金の切削加工には火災などのリスクがあり、加工業者が限られているのが課題です。この記事ではマグネシウム合金の特徴を解説しています。
マグネシウム合金は、実用金属の中で一番軽い素材で、地球上においては6番目に豊富な金属です。軽くて入手しやすいため、その利用可能性は金属の中でもトップクラスです。マグネシウムの比重は1.74g/cm³で、チタン(4.51g/cm³)の約2/5、鉄(7.87g/cm³)の約1/4、アルミニウム(2.70g/cm³)の約2/3です。比剛性・比強度がアルミニウム合金や鉄よりも優れており、軽くて強い優秀な金属です。
今まで鉄などの重い金属が使われていた多業界で、軽量化により使用感や安全性の向上、事故の防止やエネルギー削減など、様々な領域での進化に貢献しています。
マグネシウム合金は、加工硬化率が高い性質を持っています。これは、金属に力を与えると塑性変形によって硬さが増す現象のことで、ひずみ硬化とも呼ばれます。物体が衝突した時にできる凹みは、アルミニウム合金などに比べて小さい材料です。この性質を活かしてデジタルカメラや携帯電話などの小型家電にも使用されています。
振動吸収性とは材料が振動を受けた時に、その振動を吸収または外部へ放出させる性質のことを言い、マグネシウム合金は特にその性質に優れ、実用金属中最大の振動吸収性を持っています。この性質は純度の高いマグネシウムほど高くなります。ハードディスク・CD・MDなどにマグネシウム合金が使われるのはこのような性質を活かし、振動を和らげるためです。また、自動車のホイールやステアリングなどに使われているのも同じ理由です。
電磁波とは電波や磁場から起こる波動のことで、光や放射線も、電磁波の一種です。これらの波動を長時間浴び続けることによる、体の不調や機械の不具合を防止するために、電磁波シールドが使われています。マグネシウム合金は30~200MHzの域で、90~110dBの安定したシールド効果を発揮します。
マグネシウム合金の特徴として、「比熱が小さい」「熱しやすく、冷めやすい」ということが挙げられます。
比熱とは、物質1g の温度を1K上昇させるのに必要な熱量のことです。
加えて、マグネシウム合金は寸法安定性にも優れており、150℃で100時間過熱した場合でも、変化量は6*10^(-6)と小さい特徴があります。
また、100℃以下ではほとんど変化しません。
マグネシウム合金は切削抵抗が小さく、加工しやすい金属です。それによって機械で加工する時間が短くなり、結果的に工具が長持ちします。
所要切削動力指数(素材を削るために、工具が必要とする力を数値化したもの)を比較すると…
マグネシウム合金はアルミニウム合金よりも少ない力で削ることができます。
マグネシウム合金は、ダイカスト製品にも使われており、もちろん不良品や切削屑などが出てきます。そうすると加工途中で発生するスクラップのリサイクルが不可欠になってきます。マグネシウム合金はアルミニウム合金と同様に、新塊製造時のわずか4%のエネルギーでリサイクルすることが可能です。
マグネシウムは着火すると激しく燃焼する性質を持っており、加熱された状態で水と接触すると可燃性ガス等が発生する可能性がある金属なので、通常の消化活動が困難です。火の気や高温物、水と接触することがないようにし、換気と切り粉の清掃をこまめにするなどの厳重な出火防止対策が必要です。実際に加工現場での火災事故が起こるケースもあるので、取り扱いには十分な注意が必要です。この性質によりマグネシウムは難削材に分類されています。
マグネシウムはアルミニウム合金へ添加物として使われることが多く、全需要量のおおよそ4割を占めています。マグネシウムを主として製品などへ使う場合は、アルミニウムや亜鉛などを加えた、マグネシウム合金として使用されます。
マグネシウム合金の製品用途例は、ステアリングホイール・エンジンブロック等の自動車、航空機・ノートパソコン・携帯電話・一眼レフカメラの電子機器部品、杖・車椅子などの福祉用品があります。多くの場合が軽量化を目的としています。
Point
マグネシウム合金は、実用金属の中で最も軽量で、比強度に優れた金属です。耐くぼみ性や振動吸収性にも優れており、小型家電のボディ部分や揺れが悪影響となるハードディスクなどにも使われています。激しく燃焼する性質があるため、切削加工には厳重な出火防止対策が行われた環境が必要です。
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