アルマイトとめっきの違い
アルマイト処理とめっきは金属の表面に皮膜を形成する処理です。表面に皮膜を形成し耐食性、耐摩耗性など性能の強化をできる点は同じですが、実は全く違う処理で、形成の仕方も大きく異なります。この記事ではアルマイトとめっきの違いを解説します。
金属加工のワンポイント講座
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ニッケルめっきには、通電による電子の析出による電解ニッケルめっきと、還元剤による化学作用の析出による無電解ニッケルめっきの2種類があります。処理時間・均一性・価格など、それぞれ特徴が違います。無電解ニッケルめっきは、還元剤を溶解させて素材表面にニッケルを析出させる、電気を使わないニッケルめっきです。
無電解ニッケルめっきの皮膜は、リンの含有率により高リンタイプ・中リンタイプ・低リンタイプの3つに分類され、それぞれ特性も異なります。共通して耐薬品性が高く、リンの含有量が多いほど耐薬品性が高くなります。
リンの含有量が多い高リンタイプは、耐酸性に優れ、高温による非磁性への影響が出にくくなります。低リンタイプは密着性と耐アルカリ性に優れています。中リンは高リンと低リンの間のバランスの取れた特性があり、耐食性に優れ汎用性が高いめっきです。
不動態皮膜を持つアルミニウム合金、ステンレス鋼に対してもこの処理を行うことができます。処理温度は高温であるため、耐熱性の低い素材への処理には適していません。
電解めっきにおけるデメリットの1つに、めっき厚が均一にならないため、表面処理後の精度を保ちにくいことが挙げられます。これは極板から隠れる場所にはめっきが乗らなかったり、エッジ部分には厚くめっきが乗ることが原因です。
無電解ニッケルめっきは極板を使用しないため、位置関係により析出しないという心配はなく、電流による影響も無いため、複雑な形状であっても全体のめっき厚を均一に処理することができます。また、μm単位でめっき厚を制御できるため、めっき前に調整することで仕上がり後の寸法精度を制御することが容易です。
電解めっきが通電性のある物にしか処理できないのに対し、無電解ニッケルめっきは電子を利用せずに化学作用のみを利用して素材表面にニッケルを析出しているため、鉄やアルミなどの金属以外にも、通電性のない樹脂等にも表面処理を施すことができます。素材の通電性に左右されないことから、幅広く利用されているめっきです。
無電解ニッケルめっきは複雑な形状であっても、全体のめっき厚を均一に処理することができます。μm単位でめっき厚を制御でき、仕上がり後の寸法精度を制御することができます。
無電解ニッケルめっきの皮膜により、耐薬品性の向上を付与できます。皮膜のリンの含有量が高いほど耐薬品性も高くなります。
電気を使わないので素材の通電性に関係なく処理ができます。樹脂素材のような絶縁体の素材にも処理できます。
無電解ニッケルめっきはフッ素樹脂やセラミック粒子、窒化ホウ素などを添加した複合めっきを施すことができます。
これにより摺動性・撥水性・剥離性・耐摩耗性等の特性を付与することも可能な点や、通電性に左右されない点、精度を高く保てる点からハードディスクの下地、抵抗体、電子部品、バルブなどに利用されています。
Point
無電解ニッケルは、金属だけでなく樹脂など、他の材質にも施すことができる表面処理です。
複雑な形状でも全体でめっき厚を均等に、さらにμm単位で厚みを制御することができます。
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