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アルミニウム化成処理(アロジン処理)

アロジン処理は、アルミニウム合金を錆から守るための表面処理の1つです。材料の表面に酸化皮膜を形成するアルマイト処理と異なり、アルミニウムへリン酸・クロム酸・重クロム酸等を主成分とする処理液を用いて、表面にクロメート処理を施す処理です。耐食性の向上、塗装密着性や導電性を持たせるために施されます。
この記事では、アロジン処理の特徴について解説しています。

アルミニウム化成処理(アロジン処理)

アロジン処理の特徴

アロジン処理はアルミニウム防錆処理の1つで、金属の表面に酸化皮膜を形成するアルマイト処理とは違い、アロジン処理は表面に直接クロメート皮膜を形成する処理です。アロジン処理の仕上がり色は#1000と#1200の2種類です。#1000は無色で、素材の外観を活かすような塗装の下地に適しています。#1200は有色(黄色)で、耐食性は#1000よりも優れています。処理時間により電気抵抗値を調整することができます。
皮膜が柔らかく傷つきやすいため、取り扱いには注意が必要です。

膜厚が非常に薄い

アロジン処理は膜厚が1μm以下と非常に薄く、複雑な形状のものに対しても施すことができるクロメート処理です。この薄いアルミニウムのクロメート皮膜は塗装やゴム接着の接合下地に適しています。

導電性を付与できる

不動態皮膜を形成しない表面処理なので、導電性を持った状態で仕上げることができます。特にアロジン#1000は電気抵抗値が低く、電気伝導性を要求される場合の表面処理に適しています。

耐食性が向上

アルミニウム合金の表面をクロメート皮膜で覆うことで、錆に強くなり耐食性が向上します。

塗装密着性が向上

アルミニウム合金に対する塗装密着性の向上効果があるため、塗装の下地工程に適しています。

アロジン処理のMIL規格(MILスペック)

アロジン処理にはMIL規格と呼ばれる規格も存在します。MIL規格とはアメリカの国防総省が規定する物資の調達に使われる規格です。耐久性等の品質要求の際に使用されます。
MILスペック対応のアロジン処理はMIL-DTL-5541 TypeI (MIL-C-5541)  Class1A、Class3が該当し、168時間の塩水噴霧試験による耐食性評価をクリアしています。
航空機の部品に適用されるほど、信頼性のある規格です。

Point

アロジン処理はアルミニウム合金の防錆処理の1つです。金属の表面にクロメート処理を施し、耐食性、塗装密着性を向上させる効果を持ちます。また、表面に酸化皮膜を形成しないので、導電性を持った状態で仕上げることができます。

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